給料から天引きされる2つの税金と3つの社会保険料をわかりやすく解説

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会社員にとって給料日は毎月の楽しみです。しかし、よーく給料明細書を見てみると「支給額」と「振込額」に大きなギャップがあることに気づきます。

「なんでこんなに引かれているの?」

これは、給料から税金や社会保険料が控除されているからです。控除とは引くという意味で、会社があらかじめ税金や社会保険料をあなたの給料から引いているのです。これを控除額といいます。(下表の青い枠)

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給料から天引きされる税金と社会保険料

給料から天引きされる項目は、①所得税②住民税③健康保険④厚生年金⑤雇用保険です。(介護保険は40歳以上の方が加入しますが、本記事では扱っていません)

このうち、

税金にあたるのが①所得税②住民税

社会保険料にあたるのが③健康保険④厚生年金⑤雇用保険になります。

天引きとは、給料から必要な税金や保険料をあらかじめ引くことです。

所得税

所得税とは、国税の一つで「所得」に対して課税される税金です。1月1日から12月31日までの1年間に生じた「所得」から所得控除を差し引いた課税所得に対して課税されます。

つまり、

所得金額 − 所得控除 × 税率 = 所得税額

ということになります。

所得の種類

所得税の説明の中で「所得」という言葉が多く使われていますが、所得には大きく10種類あります。一般の会社員のように給与収入だけの場合、給与所得のみに該当します。一方で、副業をされている方は、給与所得にプラスして雑所得や不動産所得に該当します。

<所得の種類>

1.利子所得:銀行の預貯金の利息、投資信託の分配金など

2.配当所得:株式や債券の配当金など

3.不動産所得:不動産の家賃収入など

4.事業所得:個人事業の所得など

5.給与所得:サラリーマンの給料・ボーナスなど

6.退職所得:退職金など

7.山林所得:山林の譲渡などで得た収入など

8.譲渡所得:資産を譲渡することで生じた収入など

9.一時所得:競馬・競輪などの公営競技の払戻金など

10.雑所得:アフィリエイトの収入やFXの投資収入など

 

住民税

住民税とは、各都道府県や各市町村に納める「地方税」です。より具体的に、住民税は都道府県に納める「都道府県民税」と市町村に納める「市町村民税」に分けられます。

納付する税額は、前年の1月〜12月までの所得に応じて計算される「所得割」と定められた額を一律に課される「均等割」を合算した金額を納付します。

<渋谷区の住民税の場合>

  均等割 所得割
都道府県民税 1,500円 6%
市町村民税
(特別区民税)
3,500円 4%

新卒1年目の会社員の方は、前年の所得がありませんので、住民税は。2年目以降から、1年目の所得に応じて課税されます。

健康保険

健康保険とは、業務外の病気やケガをしたときの医療費をお互いに支え合う仕組みです。会社に勤めている方は会社の健康保険に加入することになります。

健康保険は公的医療保険制度の1つの加入パターンで、会社員ではなく公務員の場合は共済組合(公務員のための社会保険組合)に加入することになります。

つまり、会社員の場合は会社の健康保険に加入し、公務員の場合は共済組合に加入するということです。

詳しく知りたい方は、公的医療保険制度の仕組みについてご覧ください 。

公的医療保険制度の仕組み

先ほどの説明の中で、「会社員は健康保険に加入し、公務員は共済組合に加入する」と言いました。

ここで1つの疑問が生まれます。

「自営業者やフリーターはどうなるんだろう?」

この疑問に答えるために、公的医療保険制度の仕組みを解説します。(下表参照)

<公的医療制度の仕組み>

制度 加入者






組合管掌健康保険
(健康保険組合)
大企業のサラリーマンなど
全国健康保険協会
管掌健康保険
(全国健康保険協会)
中小企業のサラリーマンなど
船員保険 船員
共済組合 公務員や私学教職員
国民健康保険 健康保険・船員保険・共済組合などに加入していない一般住民、自営業者
退



国民健康保険 厚生年金保険など被用者年金に一定期間加入し、老齢年金給付を受けている65歳未満などの人




後期高齢者医療制度 75歳以上の方および65歳~74歳で一定の障害の状態にあることにつき後期高齢者医療広域連合の認定を受けた人

厚生年金

厚生年金とは、会社員が加入している公的制度です。厚生年金に加入している場合、自動的に国民年金(基礎年金)に拠出されます。

国民年金(基礎年金)とは

国民年金(基礎年金)とは、日本国内に住所を有する20歳から60歳のすべての人が加入する公的年金制度です。つまり、日本に住む人は国民年金に20歳から60歳まで加入することが義務付けられており、約40年間にわたり国民年金保険料を払い続けることになります。

会社員の中には、

「少子高齢化だから、どうせ年金はもらえないんじゃないの?」

「毎月、厚生年金は天引きされているけど、国民年金は払ってないけど大丈夫?」

と思っている方がいるかもしれません。

そんな方は、安心してください!
公的年金制度の仕組みを理解すれば、疑問がすぐに解消されます。

公的年金制度の仕組み

Q:「少子高齢化だから、どうせ年金はもらえないんじゃないの?」

A:みなさんご存知の通り、日本の公的年金制度は現役世代が払っている保険料を、現在の受給者に充てています。これを賦課方式と言います。

しかし現状、現役世代が払っている保険料だけでは不足しているので、国庫負担(税金)が使われています。つまり、現役世代の保険料と国庫負担(税金)によって年金は成り立っており、年金をもらえなくなることはありません。

少子高齢化の影響もあり、現役世代が払っている給料と国庫負担(税金)の割合は50:50になっています。税金はみなさんが負担している部分なので、国民年金保険料を払っていない方は将来的に損をすることになります。

 

Q:「毎月、厚生年金は天引きされているけど、国民年金は払ってないけど大丈夫?」

A:結論から言えば、給料から天引きされている厚生年金保険料に国民年金保険料が含まれているので大丈夫です。その理由を理解するためには、公的年金制度の仕組みを知る必要があります。

基本的に、公的年金制度は2階建の仕組みになっています。(むらさきの部分は、希望した人が加入できる部分なので大多数の方にとっては関係ありません。)

会社員の場合、第2号被保険者(厚生年金)に該当します。毎月の給料から国民年金(厚生年金)が含まれた金額が、厚生年金保険料として天引きされているので、個別で国民年金を納付する必要はないのです。(下図参照)

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雇用保険

雇用保険とは、従業員の雇用の安定や促進を目的として作られた保険制度です。一般的には、失業した際に一定期間給付金を受け取れる保険制度として認知されています。その他にも育児休業手当や介護休業手当などの各種手当が受けられる保険制度です。

雇用保険の計算方法

雇用保険料は、賃金総額×雇用保険料率で求められます。「賃金総額」とは毎月貰う賃金の総額のことで、通勤手当や深夜手当などの各種手当やボーナスも含まれます。

※雇用保険料率は以下の表を参照してください

一般の事業に従事し、賃金総額が30万円の場合

30万円 × 4/1000(0.004)= 1200円

 農林水産・清酒製造の事業に従事し、賃金総額が30万円の場合

30万円 × 5/1000(0.005)= 1500円

建設の事業に従事し、賃金総額が30万円の場合

30万円 × 5/1000(0.005)= 1500円

<平成28年度の雇用保険料率>

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(出典:厚生労働省